就職の報告だそうだ。
あの小さくて温和しかった内気なタカシがこんなにもデカクなって現れた。
本当に嬉しかった。
この世代はエネルギー満ちあふれた連中ばかりで、もちろんレベルも高かった。グランデの選手そのものだった。
そんな中でタカシは本当によく頑張っていた。
俺の話を小さな身体で一生懸命に聞いていたのが昨日の事のようだ。
そんなタカシが高校、そして大学を卒業して誰でも知ってる大手の企業に就職したんだからこんなにも嬉しい事はない。
そしてなによりも嬉しいのは、下積みの長かったタカシがこうして大人になってわざわざ中学時代の俺の所に来てくれた事が嬉しい。
「グランデで学んだ事は本当に今に活きていますし、本当に素敵な環境でサッカーをさせてもらってたんだなと改めて感じました。人間としての大切な部分を小中学生時代に学ぶ事ができて本当に良かったです。
グランデで教えてもらったことを社会人としてしっかり証明できるよう、これから頑張っていきます!」
とお礼の連絡も来た。
当時のサッカーノートも10冊?近く大切に持っているそうだ。
それを聞いてなおさら嬉しくなった。
沢山の選手達ともサッカーノートのやり取りをしていた。
多い日は50冊だったからトレーニング終わって全員の見終わると深夜2時頃になっていた。字の強さであったり、何度も消しゴムで書き直した跡であったり、殴り書きの時があったりで、その子の心境を考えたりしていた。
サッカーノートは特に村田コーチに見てもらう事が多かった選手と俺との生命線でもあった。
今の時代、ラインとかで済ませてしまうのだろう。それはきっと目的が違うのだと思う。
やはり、書くことが大切。
書くことで漢字も覚える。コピペもできない。自分のオリジナルが確立できる。なによりも自分の頭の中の引き出しにストックしていける。
だから引き出しから出して話すことも出来る。
用件を済ませる手段ではなくて全てが自分の財産となる。
それが目的の違い。
そしてタカシのように自分が精一杯頑張っていた魂の証しのサッカーノートは大事な宝物で、それを持っている選手とラインの中で埋もれてしまうものとは全く価値が違うもの。
タカシにとってサッカーノートは青春時代を全力で楽しんだ自慢できる宝物であってオヤジになったら黙って息子が思春期になったら見せてあげて欲しい。
きっとノートからパワーが伝わる。そのパワーが息子のものになる。
オヤジのようになりたいと思うと思う。
それにしても、下積み長かったタカシが走りも早くなって、2年の頃からゲームでていた連中をぶち抜いて走っている姿は本当に嬉しかったし、最後のメンバーに入れるつもりでいたのに3年ラストで骨折したときは参ったよ。マジで。
もちろんタカシとしては人生真っ暗闇になったと思うよ。あの優しいお母さんやお父さんも辛かっただろうな。
あれだけ努力していたからな。
今ではほろ苦の思い出で笑っていられるかもしれないけどな。
本当にあの時は俺も悲しかったよ。
こうしてみると沢山の思い出があったな。
当時のブログも読み返してみた。ラストは以下の文章が綴ってあった。
・・・・そんな選手達はきっと近い将来VF八ヶ岳で過ごした3年間が役に立つ時が来る事を信じたい。
どこのチームよりも、学校よりも。
選手と指導者と親が真剣に時間を共有した3年間。
まさにpriceless。
高円宮杯も含めてこの日が来るの1年前から分かっていたからこそ、特にキャプテンや主軸選手には自然と厳しくなった。
俺の事、嫌われても構わない。
だけど、近い将来、必ず、
おまえら・・・輝いてくれ。
よい人生を歩んで欲しいと思っている。
今年よりも良いチーム作る。
そして今年同様、信頼しあえる若者と出会える事を信じて。
挑戦です。
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タカシがよい人生を歩み出した事が確認出来たしグランデで過ごした事が役に立っているようで嬉しかった。
俺も少しは救われたよ。
タカシのような若者と俺は、はたしてこれから出会えるのだろうか?
挑戦するしかないのかな。
なんだか昨年からOB達から元気をもらっている。
タカシありがとうな!
次回はサリョウでも誘ってメシでも食べよう!
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