たった2日間で14期生チームの高円宮杯が終わった。
実は未だに10日のゲームを思い出すと寂しくなってくる。
それでも監督として、今の気持ちを素直に書きとどめておくことにした。
敗因。全ては私の力不足。それに尽きる。
こうなるであろう事を1年前から感じていたにも関わらず大きく変える事ができなかった。
様々なチャレンジをしてきた。
設立15年目以来初めての、副キャプテン2名体制とした。
設立15年目以来初めての、保護者様との食事会を数回開催もしてみた。
春先にはキャプテン、副キャプテンを白紙。3年生全員に責任感の自覚を促した。
1ヵ月後、選手全員から投票でキャプテン、副キャプテンを選出した。
もちろん設立以来初のことだ。
8月には副キャプテン1名を降ろした。
夏遠征での成果が感じられず、ギリギリまで遅らして、本業を休みにしてトップ遠征を行った。
どうしても妥協できない事があり、高円宮杯4日前にキャプテン交代、新に副キャプテン2名とした。
うちのチームは突出したスーパーな選手はいない。セレクションで選手を集めているわけでもない。
ジュニアから育ててきた子ども達と、うちのサッカースタイルに理解を示していただいた保護者様とその子ども達で成り立っている総勢50名にも満たない小さな小さな街クラブだ。
そんな子ども達がこの3年間で成長していく姿こそ美しいと思っている。
そんな子ども達が強豪チームに勝って行くには、どこのチームよりもチームワークが大前提となる。
どうしてもチームを一つにしたかった。
横断幕に相応しい、グランデの歌に相応しいゲームを子ども達にさせたかったからだ。
私の仕事は、選手達がピッチの上で今までの三年間の取り組んできた成果を出し切らせることでもある。
試合結果以上に大切にしているところだ。
それをできなかったことが、10日のゲームを思い出すと寂しくなるということだ。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉をいつも思い出す。
悔しいが、不思議ではない負けであった。
対戦相手のラーゴ河口湖は本当に素晴らしいチームだ。
1対1での厳しさ、ゴール前での厳しさがあった。
ゴールを奪う場面で確実に決められた。
ゴールを守る場面で間一髪死守された。
なによりもチームとしての一体感で上回っていた。
日頃の渡辺さんの指導が行き届いているように感じた。
素直にラーゴの選手達に好感を持った。
彼らに優勝して欲しい。
うちの選手達にも、ひとつだけ救いがあった。
誰ひとり、これで自分のサッカーを終える気がないということだ。
それは昨日、3年生達ひとり一人の思いを聞いた。作文を読んだ。
そこから、自分を高めたい気持ち、このままでは終われない気持ち、卒業するまでチームの先頭を走ろうと思う気持ちが少なからず感じる事ができた。
お前達の事は、大好きだ。
不器用だし、未熟だけど、みんな素直でよい子達だ。
しかしながら、俺がおまえ等のレベルに降りていくわけにはいかない。
どうか、俺の所まで自分の足で辿り着いてほしい。