この三連休は
高校受験をしている娘に関連した
「大発見」の思考法を読んだ。
iPS細胞の山中伸弥さんと素粒子の益川敏英さんの2人の対談本である。
以下『「大発見」の思考法』 文春新書(山中伸弥・著 益川敏英・著)より抜粋
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無駄が僕たちを作った。
二人とも自営業の家で、ほったらかしで育った事。
小学生の頃の成績は優秀ではなく、友達と遊んでばかりいたこと。
宿題もやらず通信簿に1以外全てが並んでいたこと。
高校時代ラグビーに明け暮れ骨折を10回以上したことがキッカケで整形外科医を志すことになったこと・・・・。
計算が速くできることが大切ではないこと。
一見無駄なものに豊かな芽が隠されていること。
考えるとは感動すること。
「うわっ!スゴイ」とビックリできる感受性ある人間が伸びる。
ここまで来た原動力は何ですかの問に対して
「それは憧れである」と語っていたこと。
本や論文で読んだ科学界の偉人に憧れがあった。
そして、自分もその方に近づきたい、自分の知らない世界を知りたい。その先を知りたい。そんな感受性を刺激されることによって人は成長し近づいていくものではないか・・・・。
僕は一睡もせずに三日間不休不眠で考え続けた事が二度ありました。
成績があまりよくなくてそんなに優秀そうでなくとも「絶対にこの研究をやりたい、続けて行くんだ」という意志の強さや人柄の良い学生が研究室では採用される事も多い。
「勉強ができる」のと「研究者」に向いているのは全く違うんですよ。
伸びる学生は自分でテーマを見つけて温めていたり、自分で問題に切り込む力があったりですね。
一方頭が良くて目端がきくだけの学生は流行の問題もいち早く理解してチャカチャカと論文を書いてくる。
頭が良いからやっている研究が難しくなるとすぐそのことに気づくわけ、だから簡単に軌道修正してできそうな研究に進んでいく。
器用だから准教授あたりまでは若くしてスイスイ行っちゃう。
だけどそのあたりから突然ダメになる。
結局、器用貧乏でしかないんです・・・・。
VW・・・Vision&(Hard)Work
つまり「明確なビジョンを持ってそれに向かって一生懸命努力すること」それが研究者としての成功する条件です。
日本人は勤勉ですから努力は得意なんですが、明確なビジョンを見失いがちなんです。
夜遅くまで論文とか書いたりして「自分は凄く頑張っている」と思い込み満足してしまう。
ふと気づくと何のために努力しているかわからない方が多いんです。
ビジョンがなければ無駄な努力に終わってしまう・・・。
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そんな内容でした。
そんなわけでこの三連休は選手達にも、「ただ走り回ってヘトヘトに汗かいたから俺は頑張ったのレベルから自分のやりたいこと、挑戦したいことを今日は出し切れたかどうかを大切にしよう」と問いかけました。
ただしな自分のやりたいことが見つからない選手はやはりヘトヘトに走り回ることからやることが大切だと思うよ。
人生においてもな。
「創造力なき日本」で村上隆さんが「社会は理不尽に満ちている・・・そういった十字架を背負いそれを作品に反映させていくのが芸術家である・・・」と語っているようにやはり理不尽であっても監督を信じる。
この頃TV等で教育評論家の方々がスポーツの理不尽さは許せないなんて語っているけど。
この人達は自分が子供の頃に本当に信頼した先生に出会った事があるのだろうか。
自分のお母さんを想像してみればわかる。
毎日が理不尽の塊だろうに・・・(全国のお母様スイマセン)。
それでも一番心許せて一番好きなのはカアチャンだろう。笑
ヤスさんが以前言っていたように、サッカーは理不尽である。
ゆえに監督が走れと言えば走ればいい。踊れと言えば踊ればよい。
そしてサッカーはやはり芸術だな。
真っ白なキャンバスに自由に好きな絵を描くことが大切だと思うよ。オレはね。