環境は思いから生まれるもの

久しぶりに『原因と結果の法則』を本棚から取り出した。

人として試された2019年6月。
「自分の信念に確信と自信が持てたことが本当に運がよかった」
と思えた2021年6月。

取り組んでいることに、本当に思い入れがあるのか。
誰と、一緒に目指すのか。
誰と、一緒に人生を歩むのか。
その誰は、同じ思い入れを持っているのか。

そんな当たり前の事に今更ながら気づけた。
言葉を変えれば、今までそんな当たり前の方としか出会わなかった。

私自身に慢心と野心があったから出会ってしまった。
他人の力を借りようとしたところに間違いがあった。
全ては私の愚かさである。

「子供達の為にサッカーの環境を良くしたい」
そう言ったところで、子どもたちの、サッカーへの思い入れが一番根底に無ければ、そこには言葉の魂は存在しない。

信念が仕事の一番上にあること。そうやって生きてきた。

私の父はステンドグラス作家である。
私は父を尊敬し、父を職人と思っている。

職人とは
「自分の技術を探求し、自信を持ち、金銭や時間的制約などのために自分の意志を曲げたり妥協したりすることを嫌い、納得のいく仕事をする」

「いったん引き受けた仕事は利益を度外視してでも技術を尽くして仕上げていく」

何カ月も費やして完成した作品を父がイチから作り直している姿を見たとき、どう見ても失敗していないのに何故納品しないのかと尋ねたことがあった。

「俺の作品が50年、100年後に同業者から笑われたくないからな」
「俺のサインを作品に刻むんだ。わかるか?」
「お客さんが満足しても、俺の心が満足しない。俺が俺を許さないんだよ」

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私はそんな環境で育ったせいなのか、サッカーコーチも職人であることが自分のプライドとなっている。

だから、2019年6月。俺の心が満足と真逆だった。
どうしても育成指導者としての魂が許さなかった。

13,14,15歳の少年にはまだまだ物事を客観的に判断できないことが沢山ある。身近な大人の影響に流されてしまう。

彼らが大人になった時。
多くの経験を積み、物事を判断できる時期が来たとき。

少なくとも中学時代にグランデで真剣にサッカーに向き合っていたことが今の仕事や人間関係に少しでも役に立っていてくれたら。
そんな思いで子供達と真剣に接してきた。

間違ってもグランデを選択したことを後悔だけはさせたくない。
何故ならばその子自身の青春時代を後悔させてしまうことになるから。

そう思われなかったとしても、自分の中で精一杯やり続けていないと胸を張って今もグランドに立ち続けられない。

本物の職人の方もきっと同じような感覚で仕事に誇りを持って真剣に生きていると思う。

あの決断から早いもので3回目の6月が来た。
新生グランデ17名の子供たちと出会えて2ヶ月が過ぎた。

時代は変わっても、人と人とのお互いを尊重しあう気持ちに変わりはない。

信念のあるスタッフ達と、サッカーが大好きな純粋な子供たちと、信頼できる保護者たちと一緒にグランデサッカーを築いていく。

環境が人を良くするのではない。
人が良い環境を作り出すものである。
そこには良い人間が自然と集まるものである。
環境は思いから生まれるものである。
『原因と結果の法則』ジェームス・アレン

ネバーギブアップフットボール・コラソングランデ
努力は必ず報われる

全てに感謝!
田畑雅宏

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八ヶ岳から世界へ

「八ヶ岳から世界へ」を合い言葉に八ヶ岳グランデフットボールは2001年に設立しました。
そして今年2021年4月。
八ヶ岳グランデ・ジュニアユースは17名の選手達と共にJFA並びに山梨県サッカー協会へ新規登録が承認され、2年の歳月を経て晴れて表舞台に戻ってくる事が出来ました。
2001年設立2021年新規登録という摩訶不思議な申請書を提出しました。

5月8日(土)県Dリーグからの公式戦がスタートし、白州グランドから第1歩が踏み出せたことになんともいえない感慨深い感動をひとり味わいながら第二試合は主審として八ヶ岳を背に笛を吹いている事がほんとうに心地よかったです。

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2年前までは16年間一度も降格なく県Aリーグで優勝を争っていたグランデ。
沢山の選手達と共に優勝を目指して戦っていることが当たり前でした。

新型コロナウィルスも同じです。DENも33年間で一番の苦戦を強いられています。

八ヶ岳から世界へ近づく人間力への挑戦への半歩を踏み出しながらの苦渋の撤退、そして世界を人類を止めた未曾有の新型コロナウィルス発生。
まさか同時に起こるなんて夢でも映画でも想像出来なかったことが起こるのだから人生って凄いなってつくづく思います。

そしてこれだけの出来事を同時に受け止めなさいという試練は強烈でした。
それでも沢山の仲間たちのおかげでどうにか受け止めることができました。
人は改めて一人では生きていけないと実感することができました。

私より何倍も辛い出来事で悲しんでいる方が今も沢山いると想像できます。
だからよくよく考えてみるとサッカー仲間も、OB達も、グランデも何も失っていないんです。
しかもこんな経験が出来たことで改めて自分の生き方やサッカー観に確信を持つことが出来ました。
私はやっぱり幸せです。ラッキーです。
そして今は、今が、人生の一番面白い時であると思えるようになりました。

昨年、グランデジュニアユースが風前の灯火になった中、1人の選手だけが迷わず残ってくれました。
「僕がいなくなったらグランデ無くなっちゃうんでしょ。それは嫌だし、だから僕はグランデ残ります」。
昨年一年間はジュニアに混じって練習試合や練習を休むこと無くやり続けた。
そんな3年生になったジンがグランデジュニアユース17期生として未来へ繋いでくれた。
こんなにもひとりの選手が居ることの重さを経験できたチームがどれだけあるだろうか。
仁とは、「おもいやり。いつくしみ。特に、儒教の根本理念として、自他のへだてをおかず、一切のものに対して、親しみ、いつくしみ、なさけぶかくある、思いやりの心」
私は親御さんの子育て、人としての徳があってのことであり、そんな保護者さまと出会えたことに一生感謝をしていく。私も徳を磨き同じような生き方を貫き通す。
そしてグランデへ預けてくれたジュニアユース17名の保護者様にも感謝しています。
だからこそ新生グランデは1期生ではなくて17期生、18期生、19期生としてグランデを続けていける。
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今回私自身も様々な経験を積めたことで「八ヶ岳から世界へ」の思いは益々強くなっています。
プロ選手や日本代表を出すことが「八ヶ岳から世界へ」ではないのです。
強いチームが「世界へ」ではないのです。
しっかりと選手達に熱を持って自分の人生をすり減らしてでも手塩にかけて選手達を育てる覚悟があるのか。
明日は我が身、いつ何処で何が起こるかわかりません。
人を惹きつける魅力と仲間の事を思いやれる心。
世界のどこへ行っても通用する人間力をサッカーを通じて少しでも身につける事ができたら、キッカケとなったら素敵だなと思っています。

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「八ヶ岳から世界へ」の想いを心に。
感動するサッカーの追求は続きます。
コラソン・グランデ

全ての方に感謝しかない。
田畑雅宏

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45thDENCUP~OPEN

2021年1月24日。DENCUP。
どうにかこうにか第45回DENCUPオープン大会を無事開催することができました。

昨年暮れより新型コロナウィルスが増え東京等では緊急非常事態宣言が発令されました。
そんな中、DENCUPを開催すべきか判断に迷い続けました。

このオープン大会は毎年高校3年生達も参加してくれる大会です。
ただでさえさまざまな催しが中止となった高校生活の一年間であったと思います。
それだけに迷いに迷いました。
毎日ニュースとのにらめっこでした。

チーム数を減らし、県外から帰省したOBの参加も断り、山梨県内チームかつ県内の選選手に限定し、応援者は1チーム5名以内(高校生の保護者さん観戦させてあげたかったので)、応援者も含め全ての方に名前、連絡先等記載いただき検温を実施し、待機場所も指定した場所のみとし、開会式は行わず、大会本部も2メートル以内にマーカーを設置し距離を確保し、消毒液を入り口、トイレ等へ設置し万全の対策で開催致しました。

参加頂いたチームの皆様も試合中も大声も無く、待機場所も守っていただき、マスク着用にも協力を頂けました。

大会の方は韮崎高校同士の決勝戦となりました。
流石サッカーで鍛えられてきた高校3年生だけにパワー、テクニックともに素晴らしかったと思います。
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私のDENチームはOB達と大輔と5名で挑みました。
この大輔と辰朗と一緒のチームで臨むのは2004年12月5日以来ですからおよそ16年ぶりです。
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※私は相当劣化しましたが大輔も辰朗もオヤジになりました。(笑)

韮崎高校両チームと前半は0-0で善戦しましたが後半突き放されて悔しいですが完敗でした。
後半私が1本でも止めていれば流れは変わっただけに悔しいです。

それでも40歳以上も年齢差の現役バリバリ若者相手にフル出場怪我なしで出場できただけでホッとしております。
若者達の動きは羨ましくもありながらもこの頃は冷静に自分の衰えを認めながらプレーに参加できるようになりました。
怪我だけはしないようにと、無理はせず(笑)と言いながらも・・・
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接触プレーでの怪我が怖くてGKばかりやっていましたがシュート強いしおもいっきり振り抜いてくるので1本は顔面直撃をくらってようやく火が付いた次第です。

1ゲームのみフィールドで出場しイメージ通りのゴールで2得点ゲットできたので連続得点記録が結局途切れないで20数年150大会以上続いてしまいました。
それにしても25年あまり全ての大会にフル出場して連続得点はギネス並になってきました。いつも健康でいられる事に感謝しかありません。
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コロナ禍の中、今回も皆さまのご協力もありDENCUPも無事成功となりました。
今のところ、感染した報告もきておりません。
この場を借りて大会参加チームしていただいたみなさま、そして関係者のみなさまに感謝を申し上げます。
これからも一緒に遊んでください。
ありがとうございました。
敬具
2021年1月24日
田畑雅宏

自反尽己

昨日、スタッフとOB数名でボールを蹴った。
その中の1人が数年前のグランデ・キャプテン。

彼にアスレタのキャプテンマークをプレゼントしたことを懐かしく思い出した。
キャプテンマークをプレゼントしたのは初めてであり、おそらく唯一の教え子となるであろう。

何故ならば私のクラブ(グランデFC)はキャプテンマークは日頃は付けさせなかった。
選手達には3年生全員が練習時も学校でも左腕に見えないキャプテンマークを巻いているんだと伝えてきた。

彼にはキャプテンマークを巻いていなくてもキャプテンはお前だと分かるだけのキャプテンシーを努力して身につけなさいと伝えてきた。

何故それでもキャプテンマークをプレゼントしたかには大きな理由があるのだがここでは公にはしない。

そのキャプテンマークだが、内側にマジックで「自反尽己」と書いてプレゼントした。

自反尽己とは孟子に出てくる言葉。

他者から無礼な態度や騙されたとしても、相手を批判するのではなく、有徳の人は必ず自分を反省する。

失敗や不運を自分が足りないと受け止めることができる人間と他人のせいにして済ますことを繰り返してきた人間とでは、天と地の差で幸運が違ってくる。

自分が上手くいかなかったとき、試合に負けたとき、仲間のせいにしてしまう。
そうではなくて、
自分が足りないということを冷静に受け止め、自分と向き合い、ポジティブに今の置かれている立場に感謝し、日々素直なこころで努力して自分を変えていくしか方法はない。

親も然り、
試合に出られない、自分の息子が友達と比べて成長していない、それはチームや指導者が悪い。
うちの息子はこんなに頑張っているのにあの子ばかり試合に出ている。

その吐いた言葉というものは、毒をまき散らしているが如く、悪臭を放ち、周囲の人たちに伝染していく。

周りを悪くするということは自分の子供の環境を益々悪くしてしまっていることに気づけていない。

グループLINE等でネガティブな発言を繰り返している親達のチームもあると聞く。
それがどれだけ自分の子供を苦しめているか気づけていない。

ありがたい、ありがたい、感謝の気持ちを親が持てば、自ずと子供も変わっていくものだ。

他人のせい、環境のせい、と嘆いた所で何も変わることはない。

先ずは自分が良い影響を発せられる人に変わること。

うまくいかなかった時にこそ、自責で考えなさい。
そんな意味なんだろうと解釈している。

彼には今の勝ち負けはどうであれ、「自反尽己」の精神を持ってこれからの人生を謙虚に歩んで行って欲しい。

そんな思いで、キャプテンマークをプレゼントしたことを思い出した。

そんな彼も高校三年間親元を離れ強豪サッカー部でやり抜いた。
「自反尽己」の精神は彼にピッタリであったと思う。

これから関東一部の大学に行っても挑戦するようだ。

立派に成長し、こうして一緒に楽しくボールを蹴れる事が嬉しかったよ。

コラソングランデ!
努力は必ず報われる!
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笑顔と返事

惜しまれずして会社を辞めた人で、その後の人生、成功した人はまずいません。

~中略~

昔、家康が天下をとるまえは今川家の属国でした。今川家は敵に攻められても兵隊は出さず、徳川家から兵隊出させて戦争していました。徳川家は家康が人質にとられているから今川家に逆らえずいつも戦うけど戦いに勝っても恩賞がなかった。

普通の人は徳川家が損をしていると思うんですよね。

ところが秀吉が足軽のときにそれを聞いて「そんなことを続けていたら徳川家だけが強くなって、たいへんなことになるぞ」と言ったそうです。

恩賞ももらわなくて戦うクセをつけたら、エライつわもの集団になってしまうと。

~中略~

いつも笑顔で働いて、上司に呼ばれたら「はい!」って良い返事をするのです。

返事が良くて、笑顔で働いていたら、仕事頼みやすいから、倍頼まれるんですよね。

ところが人生失敗する人というのは「同じ給料なら、働かない方が徳だ」と思うのです。

だから、職場で頼まれごとされると嫌な顔するんです。イヤイヤ返事するんですよ。

そうすると、上司は仕事頼みづらくなっちゃう。

頼みやすい人と頼みづらい人。笑顔と返事。たったこれだけで雲泥の差になっちゃう。

仕事を倍頼まれると、人の倍仕事覚えるんですよ。どんどん仕事できるようになる。

だから仕事を倍たのまれるような人は、どこの会社へ行こうが独立しようが仕事が上手く行くようになっているんです。

辞めたは後に成功するかしないかは、仕事を倍頼まれる事は徳だとわかっているかどうかなんです。

こういう人は惜しまれて辞める人なのです。

斉藤一人さん著書「微差力」より抜粋

思い返すと、高校で活躍したり、大学生活や社会人となって人生を楽しんでいるOBは、いつもダメ出し食らったり色々頼まれていた選手が多かった気がする。

不思議なものでそんなOB達とは未だに縁が繋がっている。

人生なんてそんなものなのだろう。
アドバイスしやすい選手もまた楽しい人生への近道かもしれない。
それも人間力。

「笑顔と返事」。
幼稚園で最初に教わることだな。
基本が大切なことは人生もまた同じ。

人生はシンプルに。

親も選手も指導者も。

損得の人間関係から離れましょう。
尊徳の人間関係を作りましょう。
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